2006年9月4日 のアーカイブ

八木アンテナを、その世界へ向ける。

2006年9月4日 月曜日

電波男
電波男
本田 透

寮の先輩が「読まないからあげる」とのことで、本日いただいて読んでみた本である。
感想としては、彼の主張の根幹に、全く異論はない。異論があるとするならば、私と彼の幼少体験が全く異なる点からか、枝葉の部分にところどころ違和感のある、といったところか。彼と違って、好き放題やってきた私は、なんて幸せなんだろうと思った。

しかし、この本は非常にもったいない、という想いもある。それは、文章が、タイトル通り「電波」な構成をしている点である。
適当になんでもつっこんで、ネタを各所にばらまいて興味を引くのはいいかもしれないが、私は少なくともそれをじゃまと感じた。ネタをやること自体はいいのだが、ネタSS・ネタblogの文章構成で論旨を茶化すのは、読んでいて非常に不愉快だったと言える。
私は2ちゃんねるや「萌え」系テクニカルブックなどで慣れているからスムーズに読めたが、普通の読者には「なにこれふざけてるの?」で終わってしまう文章に過ぎない。

しっかりとした主張を行うための本なのだから、「本田節」で茶化すのではなく、きっちりと論旨をわかりやすく構成し、まとめあげてもらえればそれがいいのだ。

彼の主張の是非は各人に任せるとして、オタの一人として、自分の生きていく世界をしっかり認識するために、微弱な電波も見逃さないのは大切なことだろう。
今よりずっと、新しい時代を生きる。そのためのヒントがひとつ、この本には示されている。