2007年3月17日 のアーカイブ

堀江被告有罪判決

2007年3月17日 土曜日

懲役2年6ヶ月、執行猶予なし。
IT業界のスピードを考えると死刑に等しい判決です。

さて、この問題について、ポイントを整理しましょう。

1:堀江被告は本当にこの問題の犯罪性を認識していたのか?
 代表取締役時代の忙しさを考えると、法律担当に嘘つかれたらフォローできません。経営者が単独でフォローできるほど法律は簡単ではありません。
 法律をフォローしていない身としては、株価分割のどこが悪いのかがさっぱり分かりませんし、もっと巨大な額の粉飾決済やったところがトップ辞任くらいで済んでるのに、なぜ有罪かと言われても私の如き素人では説明が付きません。

2:宮内被告の証言はどこまで信用していいの?
 この問題の黒幕はどうみても宮内被告なわけですが、上記にもあるとおり、宮内被告が嘘を付いていたら堀江被告はどうみてもアウトである、といえます。被告のメール内容が、法律などのリスクを正しく書いていたとしても、それがわかりやすくなければ堀江被告には伝わらないでしょう。

3:それでも堀江被告の有罪は免れない ――経営者は会社への責任をどこまでとるべきか?
 さて、ここからが本題です。すべての証言が堀江被告サイドの言うとおりになったとして、それでも堀江被告は有罪になります。その結果がどれだけか、というのを注目していたのですが、この点はだいぶ霞んでしまった印象を受けました。
 内部統制・J-SOX法などが騒がれている中で、経営者は、会社の中で起きていること(事業内容・リスク・コスト・利益)を、全て知らなければなりません。で、今回の裁判で一番注目していたのは、ライブドアが粉飾決済・株価分割などを行った事実に対して、堀江被告が経営者としてどれだけの罪を被る必要があったのか、という点です。(1)犯罪と知っていた(2)やったことは知っているが、犯罪として認識していなかった(3)やったことを知らなかった、のうち、判決は(1)を支持していますが、たとえ(3)であっても、経営者は罰せられます。それが経営責任ってもんです。

何回かライブドア問題を取り上げているうちに、このblogでも言ってることは二転三転していますが、それだけ社会の仕組みとトレンドを学んできているということでひとつご理解をいただきたく思います。

さて、これからの注目点:黒幕さんの量刑はどうなるのか。
 宮内被告の判決が3/22に下されるらしいとのことで、どれくらいの量刑になるのか、注目しています。ポイントは以下の5点。
 ・実行犯であること
 ・明らかに違法行為であると分かってやっていたこと
 ・不正な利益の一部を生活費に流用していたこと
 ・当時ライブドア取締役であったこと
 ・強く反省をしていること
ネガティブな条件が3つ、堀江被告と同等の条件が1つ、ポジティブな条件が1つ。この条件と堀江被告への判決を見て、執行猶予付きは許されないんじゃないかなぁ、と思うのが素人の考え方ですが果たして。

たぶん、法律の専門家が見たら嘲笑に値するような考察なんでしょう、とは思いつつ。