仕事用ネットブックのケータイ化

Google Chrome OSのご紹介

GoogleがLinuxベースの新しいOSを開発するというお話。
ITmediaのblogでも考察している人の多いデバイスだが、ユーザー・エクスペリエンスとしては全く違った方向性を見ることが出来る。
それは、「パソコンの組み込みシステム化」である。
ChromeOSの最大の特徴は、

ユーザーインターフェイスはユーザーの妨げにならないよう最小限に抑えられ、ユーザーエクスペリエンスのほとんどはウェブ上で提供されます。

という点にある。

という点から、ChromeOSの仕様を妄想勝手に想定してみる。

ChromeOSの目的は、「Google Chromeだけが快適に動くシステム」を提供することである。
このために必要なシステムは、ノートPC相当の入出力システムに相当する、
・キーボード
・マウス
・画面
・LAN(無線、および、有線)
・Cookieを取り扱える程度の記憶装置
くらいである。CD-ROMドライブや、テレビアンテナなどの「webと関係ないデバイス」を全面排除することで、高速化と安全性を実現すると考えると、非常に納得のいくシステムとなる。

ここで、私が考えるChromeOSのポイントは以下。

  1. SDカード等の外部記憶装置は不要。転送元システムから、Gmailアドレスへメールしなさい、という発想でおk
  2. ポイント1と同じ考えから、スキャナも認識しない。
  3. 外部のソフトをインストールできない。たとえば、エロゲーが動かない。動いて欲しければ、Flashで作り直してweb公開しろ(そしてセキュリティに後悔しろ?)という発想になる。
  4. もちろん、MS Officeも動かないが、これはGoogle Gearsで代用可能。ExcelマクロはJavaScriptとかCGIとかFlashとか使って作り直すべし。おすすめはPython。
  5. グレーゾーンその1:タブレット。しぃペインター向けに、WACOMタブレットは認識してほしいんだよね……
  6. グレーゾーンその2:プリンタ。印刷できない弱点は「見たいときにいつでもweb見ればいいじゃん」で終了できるかが勝負の分かれ目。
  7. グレーゾーンその3:テザリング(ダイアルアップ)用デバイス。私の場合はEM-ONEだが、ケータイのひともいる。外国ユーザだとiPhoneが問題の予感。
  8. グレーゾーンその4:MSNメッセンジャー。すなわち、MSに囲われてるwebサービスを使うかどうか。Twitterへ素直に移行できるならいいけど、日本でリアル友人とつながりやすいのは、どーしてもリアルタイムでお話しできるMSNメッセンジャーなので……あ、あとSkypeもか。
  9. グレーゾーンその5:Adobe Reader。webエクスペリエンスに必須ではあるが、非オープンソース、セキュリティに大問題を抱えるフリーソフト。代替のフリーソフトはいっぱいあるが、ろくなのがない。Linux業界の嫌われ者。これを取り込むことができるのか。
  10. 最強のグレーゾーン:ATOK X3。ITmediaブロガーの加藤氏も書かれているが、快適な日本語入力が可能なシステムはユーザーエクスペリエンスに必須。日本だけではなく、中国や台湾などに広がるかどうかも、この点にかかっていると言って過言ではあるまい。

というわけで、ChromeOSは、
・webブラウザ特化の組み込みOS
になる、と推定している。
ユーザーはChromeOSを入れた後にシステムを変更することもないし、Google Chrome以外のソフトをインストールすることもない。システム変更ができないのだから、ハッキングなど夢のまた夢である。

このとき、ChromeOSのライバルとしては、以下が考えられる。
・個人用:テレビ、ケータイ。メールができてホームページがみれてニコニコがみれるデバイスとして。
 ホームページを見るためにわざわざパソコンを買った、という層は流れるかもしれないが、そういう層は元々「パソコン」を欲していたわけではなく、「ブラウザ」を欲していたのである。
・企業用:経営/事務/営業用のパソコン
 企画/開発用のパソコンはリプレースされない。webページ確認作業の対象ブラウザにChromeが追加されて泣くだけ。

 個人的には、ノートPCサイズの「携帯電話」が出てくることを期待したい。ケータイのちっこい画面でしか提供されていない「いつでも、どこでも、快適に使える」無線webサービスを、パソコンサイズでも使いたいんです。

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