2008年9月26日 のアーカイブ

世界は、王水でできている。

2008年9月26日 金曜日

久々の日記ではあるが(←blogを日記言うなwww)、コミュニケーションに関して、最近思うことをつらつらと書いてみる。

……ということは、コミュニケーション関連でだいぶ苦労してると思ってくださいなw

 コミュニケーションの基本ルールで、しばしば言われる二つのルールがあります。
 「ゴールデンルール」と「プラチナルール」です。
 ゴールデンルールとは、「自分がして欲しくないことは相手にもしない」すなわち「自分がして欲しいことを相手にもする」ルールを言います。
 プラチナルールとは、「相手の気持ちに合わせて相手が望むことをする」すなわち「相手がして欲しいと思っていることをする」ルールを言います。

 この二つのルールが同じように見える場合、コミュニケーションにおいて、致命的なミスを犯すことがあります。
 それは、「一人一人は、立場も違えば考え方も違う」という、字面では非常にあたりまえの原理です。

 友人との一対一であれば、気心が知れているから簡単でしょう。

 しかし、気心の知れない人との一対一は? そして、多対一は?

 プラチナルールには、知識と想像力と数の限界があります。そして、この瞬間にプラチナルールからゴールデンルールに切り替えると、立場と考え方の違いという問題が発生し、コミュニケーション能力を一気に奪ってしまうのです。

 タイトルに「王水」と書きましたが、王水とは塩酸と硝酸の混合物で、金を溶かすことのできる酸として有名なものです。
 すなわち、「ゴールデンルール」なるものは、本質的に意味をなさないのです。

 このとき、知らない人との一対一であれば、相手の立場を推定することで擬似的なプラチナルールを実施できます(真のプラチナルールではないためコミュニケーションの問題は残りますが、相手の立場の推定を補正していけば、いずれ真のプラチナルールに近づきます)。

 しかし、一対多の場合、そうはいきません。

 そこで必要なのはプレゼンテーションスキル、いわゆる、「自分の考え方を共有してもらう」ための方策です。
 自分の考え方を共有してもらうためには、自分の行動と態度と考え方と方策のすべてを、可能な限り「あらゆる立場から」検証する必要があります。
 そして、検証したところで、その事実をわかりやすく伝えることに、また細心の注意を払う必要があります。
 こういった苦労の先に行った発表でも、理解されないことは往々にしてあり、手を変え品を変え主張を繰り返すこともまた必要になります。
 このとき、「手を変え品を変え」の手と品を選ぶにもっとも有効な情報はプラチナルール。独りよがりなゴールデンルールは、ここでもやっぱり世間という名の王水に溶かされてしまうのです。

 ……では、具体的にどうするか。
 プラチナルールを使うのですから、もちろん答えは「状況次第」です。